今日は先日試乗した992.2GTSのファーストインプレッションを記しておこうと思います。
以前、
992.2カレラを試乗した際に乗って感触を確かめたかった
GTSに試乗することができたので良かったです。
で、結論を先に
「最新が最良」という言葉の定義が、今や変わってしまったのかもしれない。
かつてのポルシェが「硬派な機械屋」として磨き上げてきた、あの右足と直結するような血の通った手応え。それが今、テスラやAppleが牽引するような、効率と数値を最適化する「ハイエンド・ガジェット」へとシフトしてしまった感が強い。
その象徴こそが、この無機質で完璧すぎる992.2 GTSなのだと思う。
デジタルなステータスを追う企業への変貌を寂しく思いつつ、俺はキーを捻り、3.4L NAエンジンの不器用で熱い咆哮を聴き続けることになる。
結局、俺を「ニヤリ」とさせてくれるのは、最新のデバイスではなく、このアナログな機械との対話なのだ。
新型992.2 GTS試乗。速さの次元に驚き、自分の相棒を抱きしめたくなった話
| 項目 | スペック |
|---|
| パワートレイン | 3.6L 水平対向6気筒 T-Hybrid |
| 最高出力 | システム合計 541 PS (400 kW) |
| 最大トルク | システム合計 610 Nm |
| 駆動方式 | RR(カレラGTS) / 4WD(カレラ4 GTS) |
| 空車重量 (DIN) | 1,595 kg (カレラGTS) |
| 車両本体価格 | 約 2,254万円〜 |
1. 総評
エンジン:★★★★☆(速さは満点、官能性は…)
乗り味:★★★★★
インテリア:★★★☆☆
エクステリア:★★★★☆
寸評:
ポルシェ初のT-Hybridは、まさに「異次元の速さ」。しかし、速さと引き換えにアナログな情緒が削ぎ落とされた印象。
「最新こそ最良」を数値で証明した一台だが、街乗りで「ニヤリ」とする瞬間を求めるなら、少し無機質すぎるかもしれない。
2. インテリア
ついに全モデルでアナログタコメーターが廃止。液晶の5連風表示は、どこかスマホの画面を見ているようで、911伝統の「計器を操る」という没入感が薄れた。
プッシュスタートへの変更も、キーを捻る「儀式」が消え、高性能な家電のスイッチを入れるような味気なさを感じる。
質感は高いが、操作系がデジタルに集約されたことで、かつてのメカニカルな密度が失われたのは、化石派の車好きには少し寂しい。
3. エクステリア
相変わらず文句なしにカッコいい。特にGTSらしい黒のアクセントと、垂直基調になったリアのスリットが精悍。ただ、中身が劇的に進化した分、見た目の鮮鮮度は「いつもの911」としての安心感に留まっている。
4. 乗り味
文句なしの安定感。PDCCなどの制御が魔法のように効いており、どんな速度域でも路面に吸い付く。ただ、あまりに完璧すぎて、ドライバーの技量に関わらず「車が勝手に速く走らせてくれる」感覚が強い。この「隙のなさ」を頼もしいと思うか、退屈と思うかで評価が分かれるはずだ。
5. エンジン(T-Hybrid)
坂道で踏み込んだ際のトルク感は凄まじい。シートに押し付けられる感覚は991.1のNAでは絶対に出せない領域。しかし、排気音は非常にフラット。回転が上がるにつれて高まるドラマ性や、エッジの効いた咆哮は影を潜め、効率的にパワーを絞り出す「作業音」に近い。
「速いけれど、高揚感に欠ける」という、ターボ化以上のデジタルな壁を感じた。

6. おわりに
992.2 GTSは、サーキットでコンマ1秒を競う人や、最新のテクノロジーを享受したい人には間違いなく「最良」の選択肢。
1)最新ガジェットとして楽しむなら:3年ごとのリースで常に最新に触れるのが正解。
2)992前期オーナーなら:この「劇的な加速の差」に価値を感じるなら買いだが、情緒を求めるなら慎重に。
3)NAモデルのオーナーなら:一度試乗して、その「速さの質」の違いを確かめるだけで十分かもしれない。

快適さと速さはトレードオフではなくなったが、「味わい深さ」とはトレードオフになった。そんな印象。俺のような化石のくるまにあには、やっぱり「バカっ速くなくでも回して楽しい」相棒が一番しっくりくることを再確認できた試乗でした。
(´ε`;)ウーン…
マンダム.
気分は
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992.2GTS試乗記(ファーストインプレッション)