おそらく別の同期の挨拶の中で胸に去来する思い出が脳裏に走馬灯の様に蘇ったのだろう。
周囲もすでに初老となる先輩のすすり泣く姿に胸を熱くして静まり返り余計に涙する姿が熱い音を立てるように会場に広がった。それほど俺より歳が離れてるわけではない。時代背景はほぼ同様なものだ。10年周期で山もあれば谷があるものだ。拍手の中、先輩たちが花束を胸に会場を後にした。
見送りながらも俺も残り指折り数えるようになって来たと未来の自分の姿がだぶって見えた。
仕事が終り、職場の送別会に行った。
春と言うのは別れの季節だ。
帰路、夜更けの道を歩いてると桜が綺麗に咲いててライトアップされていて訳も無く見入ってしまった。
桜を見上げて退職セレモニーで涙する先輩、安堵の気持ちとひとつの時代を終えた男たちの花道を思い返した。
俺もいずれ通る道
桜吹雪のようにあざやかに・・・・
ドライブまにあ
日々燦々 / 桜咲きはじめる頃、おとこの花道を歩く